数学の問題の解き方、考え方

はじめに
普段、数学の問題をどのように考えて解いていますか。数学の問題は公式やパターンを覚えて、それらに当てはめて解くものだと思っていませんか。解法はそのような公式やパターンを覚えていれば、すぐに思いつけるべきものだと思っていませんか。
たしかに、高校入試の問題はワンパターンで解法も決まっている問題が多かったです。そのため、単なる解法暗記のごり押しでも、高校入試の問題が解けたかもしれません。しかし、大学入試の問題や数学者が解くような数学の問題の解法は決まりきったものではありません。解法暗記にばかり頼っていると、教科書や問題集の易しめの問題くらいは解けても、少し難しくなるととも足も出なくなるでしょう。
そのため、難しい入試問題を解けるためには、数学の問題を解くときの考え方を身につけ、知らない問題でもそれを適応できるようになることが重要です。では、その重要な考え方とはどのようなものなのでしょうか。
いかにして問題を解くか
数学者のジョージ・ポリアが書いた本に「いかにして問題をとくか」があります。その本には数学の問題を解くときの思考プロセスとして「①理解→②計画→③実行→④検討」が挙げられています。
中学校や高校の定期試験では①や②をしなくても解けます。短い試験時間で5分も10分も考えさせる問題は出しにくいからです。
しかし、大学入試の問題では大学にもよりますが、大門1つに数十分かけられることも多いです。そのような場合、大学側が単なる解法暗記ではなく、解法を十分に計画してから解くことを要求しているのです。
高校の定期試験ですら、①や②はなくても困らないように見えるため、①や②の力は意識的に行わないと身につきません。しかし、①や②ができると今まで行っていた解法暗記の量は大幅に減り、効率的に数学力を延ばすことができます。また、大学入試の見たことのない問題にも対処できるようになるでしょう。具体的に①から④のプロセスがどのようなものかを以下に示しました。
- 理解:問題文を理解する
- 未知のものは何か、与えられているもの(データ)は何か、条件は何か
- 図やグラフや表を書く
- 未知のものを文字で置く
- 条件を分けて考える
- 計画:解答の計画を立てる
- 前に同じような問題を見ていないか
- 似た問題を知ってるか
- 役立つ公式や定理を知ってるか
- 問題を言い換えて簡単にできないか
- 定義にかえってみる
- 関連した問題を解いてみる
- データや条件の一部を変えたり、捨てたりしてみる
- 与えられたデータや条件をすべて使ったか
- 実行:立てた計画を実行する
- 計画の各段階が正しいか検討しながら実行する
- 検討:得られた答えを検討する
- 結果や議論を試みることができるか
- 別の方法はないか
- 他の問題にその結果や方法を応用できるか
抽象的でわかりにくいですね。簡単に言えば、まず、グラフや図や表を書いて問題文を理解しましょう。次に、問題文で分かっていない日本語の条件(式になっていないもの)を必要ならば、自分で文字を使って過不足なく式(できれば等式)にしましょう。その際に、複雑な条件は場合分けをするなど、分けて考えましょう。そして、それらの式を解きましょう。大まかには、式にして解く過程が計画と実行にあたります。そして、答えが正しいか見直しをしましょう。
分野によって重視される過程は異なりますが、今後、数学の問題を解く際は上記のことを考えてみましょう。
また、これらのことは数学に限らず、物理、化学、現代文など、どの教科にも応用できます。